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吸血鬼(バンパイヤ)伝説の謎その1 [悪魔]

吸血鬼伝説は各国に存在します。
映画や小説のテーマとして時代を超えて人気のあるものとして扱われています。
吸血鬼が民衆の間で広まったのは17世紀と言われています。フランス・イギリス・ポーランド・ロシア・オーストリア・ボヘミアなどのヨーロッパの地域で盛んに持て囃され、恐怖の対象となりました。バンパイヤと呼ばれる吸血鬼は多くの伝説がありますが、”死後に埋葬された人間が、肉と魂を持って蘇り、話したり、歩いたり、村を襲い、家畜を殺し、近親者の血を吸って死に至らしめる”とドン・カルメは定義しています。吸血鬼の呼び名は、バンパイヤの他にも「ユビエ・ウピール」「ブルコラク」「カタカネス」という名もあります。吸血鬼を避けるには、死体を掘り起こして串刺しにし、首を切り、心臓を抉る・・もしくは焼くことと伝えられています。
また吸血鬼に血を吸われた者は自分も吸血鬼になるというのも一般的に言われています。1693年から94年にかけて、フランス・オランダの大衆紙では、ロシアに現れた吸血鬼の記事が多数掲載されています。この当時の『メルキュール・ガラン』紙によれば、当時のロシアやポーランドでは、吸血鬼は正午から午前0時の間に現れて、生きた人間や動物の血を吸い、その吸う量が多いために口や鼻から血があふれ出ることもあったと書かれています。また夜になると墓から起き上がり、身内の者や友人を抱きしめ、叫べないようにして血を吸うとも言われていたようです。
血を吸われた者は、衰弱し死に至ります。これを断つには心臓を刺し尽くすか、首を切り落とすしかないということで、吸血鬼から流れた大量の血を、小麦粉に混ぜてパンを作り、それを食べると吸血鬼に襲われないと信じていた者もいたそうです。
吸血鬼の特徴はいくつかあり、映画や小説にも取り上げられているのでご存知の方も多いでしょうが、列挙してましょう。
●人の生き血を吸う
●不老不死
●鏡に映らない
●十字架・聖水・聖餅・にんにく・日光に弱い
●心臓に杭を打ち込まれると死ぬ
●コウモリ・オオカミ・ネズミ・霧に変身する
●流水に弱い
●吸血鬼に噛まれると、噛まれた人間も吸血鬼になる
●入っても良いと許可が与えられない限り、家屋に入れないが、一度でも許可すると自由に出入りできる。
●死ぬと塵になるが、鮮血をかけると復活する。
また吸血鬼には主に3種類あり、1つは「心霊吸血鬼」といい、人間とまったく変わらないのですが、他人からオーラを吸い取るモノ。もう1つは、「元素吸血鬼」で、魔術師の使い魔として造られた元素霊が、魔術師の死後も活動を続けるもの。3つ目は「不死系吸血鬼」で、自分の寿命を延ばすために他人の生命エネルギーを奪うもの、と分類されます。
吸血鬼は日の光に弱いために夜に活動しますが、彼らは基本的はまっすぐ歩くことができないようです。どちらかに傾斜してよたよた歩くようで、その意味では吸血鬼に遭遇した場合は、真っ直ぐに走れば良いとなります。ただこの説も多種多様で、東洋の吸血鬼は逆に真っ直ぐにしか進めないそうです。


「悪魔の形体」・・化ける悪魔たち [悪魔]

悪魔は人間に近づく必要があります。誘惑して、神の信仰を捨て去るように薦めるには、どうしても人間そのものに接触しなければなりません。
そのため、悪魔はいろいろなものに化けます。ただ子羊・鳩などには化けないようです。子羊は神への捧げものですし、鳩は平和の象徴ですから、天界から禁止されているようです。
悪魔がよく化ける動物に「山羊」がいます。また人間と親しくなる目的で「猫」「犬」に化けることもあるそうです。誰かを浚いたけれが「馬」に化けます。狭い場所を移動するのなら「ネズミ」に化けます。
また時には人間自身にも変身するようです。
ただ人間に化ける場合は、なにかしら手違いがあるようです。”必ず不潔で異臭を放ち、醜くおぞましい。鼻は不格好で眼はくぼみ、手足には獣の爪が生え、両足か少なくとも片足を引きずっている。そして石のくぼみが樽からでも発するような声をしている。」(ゲーレス『神秘神学』)
またディドロンはその著書『悪魔の歴史』でこのように記しています。
”インドの悪魔は、猛獣や害獣の四肢をごっちゃに組み合わせた化け物じみた姿を形造っており、たいてい頭や腕がたくさんある。西洋の悪魔は主に人間の姿をしているが、醜くおぞましい。”このディドロンは考古学者ですが、『ヨハネの黙示録』の記述に基づいて、悪魔の首領はサタンであると推論しています。
”聖ヨハネによれば、サタンは7つの頭と10本の角、7つの王冠と1本の巨大な尾を持つとされています。サタンには2人の副将がおり、1人は海を支配し、やはり7つの頭と10本の角、それにサタンよりも3つ多い10個の王冠を持ち、豹の身体に熊の足、獅子の尾をはやしているそうです。も1人は、大地を支配し、2本の角を生やした獣、まさにその名もベートである”と述べています。
このことから、ディドロンはレバィヤタンとベヒモスのことを言っているようです。

私の家にも猫を飼っていますが、よく深夜2時ごろに天上当たりをきょろきょろと見ることがあります。映画「コンスタンティン」でも、猫は半分は霊界の住人と言っていましたが、特別な霊的力があるのかもしれません。
昔の人たちは、動物のスピリチュアリティな力を感じ、悪魔の化身と考えたようです。


グリゴリの司令官・・シェムハザ・・以下指導的な立場の悪魔たち [悪魔]

前述では「アザぜル」について記載しましたので、今回は「シェムハザ」です。
シェムハザは、仲間の天使たちが人間と姦淫して子供を作ろう、と賛同した時に、唯一反対した天使でした。でも多数決で結果的に押し切られ、この一連の反乱の指導者に祭り上げられました。エノク曰く、このシェムハザが天使たちを惑わし、彼らに悪知恵をたたえた張本人と言っています。シェムハザはすべての魔法使いの育ての親と言われ、アザぜル同様に強烈な支持を得ています。
ではそのほかのグリゴリのリーダー各を見てみましょう。
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「アバドン」・・残酷なる破壊団の長 [悪魔]

アバドンは『ヨハネ黙示録』に登場する破壊者です。アバドン終末の時、5番目の天使がラッパを吹くとき出現すると言われています。ラッパの音によって、天界から1つの星が地上に落下してきます。この星は底なしの淵の扉が開くと、黒煙が穴から立ち上るため太陽や空までも見えず、周囲は暗くなってしまいます。
そして地獄の竈の煙の中から出現するのが「アバドン」の指揮下で働く悪魔軍団です。

その姿はまさにイナゴの群れのようで、戦陣におもむく馬に似ており、頭には金の冠、顔は人間のように髪を長く伸ばしています。
彼ら軍団の武器はその尾で、蠍の尾のような代物で、鋭い針に仕込まれた毒は、人間を5か月間苦しめる作用があると言われています。「アバドン」には、地上に生える草や樹木を一切損なってはならないという神の命令が出されていました。さらに前もって神がその顔に印をつけた人間も襲うことは許されていません。
そのためアバドン軍団が攻撃する対象は、神の意向にそむき、神への信仰を無視した人間たちです。イナゴの群れは現実にとても恐ろしいもので、彼らは大軍団で畑の全ての作物を根こそぎ食べてしまいます。この地獄のイナゴたちはまさしく人間を標的にした特別のイナゴと言えましょう。
アバドンの恐ろしきことは、神の命令であったとしても、襲いかかった人間の命を取らないことです。アドバンたちの尾の毒は人間にものすごい苦痛を与えます。この攻撃によって人は決して死ぬことはなく、5か月間も間ただ激痛の中にのたうちまわるしかできません。

『ヨハネの黙示録』には、これらイナゴは”底なしの淵の使い”の王たるアバドンによって支配されていると説きます。アバドン(Abadon)はヘブライ語のabad(彼は殺した)に由来すると言われています。
オカルティストで有名なフランシス・バレットによれば、アバドンは”邪悪な戦争”の王とされていて、『エノク』書のエノクのデーモンの中の第7位階でフリアエの君主がアバドンと名指しされ、”害悪・不和・戦争・破滅”に至らしめる種子を人々に振りまくとされています。


「レヴィアタン」PART1・・海の獣 [悪魔]

レヴィアタン、あるいはリバイアサンと呼ばれる怪物は、曲がりくねった蛇を意味するそうです。でも『ヨブ記』では蛇と言うより鰐のような記述になっています。
頑丈な顎、殺気を帯びた歯、背は楯を並べたような寸分も隙間の無い・・などです。
神はビヒモスを陸の怪物、そしてレヴィアタンを海の怪物として造り、棲む場所を定めました。めた別の見方をすれば、「混沌」をイメージした生き物で、ビヒモスが雄、レヴィアタンが雌の対として捉えられるかもしれません。神がなぜこのような化け物を創造したかは、諸説あるようですが、「悪」についての概念の具現化という見解が濃厚です。また鰐のイメージはエジプトのナイルを連想させます。
古代イスラエル民族にとっては、エジプトは強国であり、自分たちを脅かす存在であったと思いますので、イスラエルの唯一神に立ちふさがる敵の象徴として鰐に似たリヴィアタンを想像したのかも知れません。
普通、悪魔と言えば天上界を追放された堕天使のイメージですが、このレヴィアタンとビヒモスは異なっています。悪魔は天上界を追放される明確な理由があったはずですが、この2匹にはその意思が感じられません。そのように考えると、この2匹は「悪魔」というより、人間の無意識下における存在であり、意識の中にある邪念の化身とも言えるかと思います。


「ビヒモス」・・神が創造した陸の獣 [悪魔]

「ビヒモス」・・旧約聖書ではベヘモット、またはベヘモトと呼ばれる怪物は、創造主自身によって、サタンとともに作られました。
神はこの獣についてヨブにこのように話しております。
『見よ、このベヘモットを。
お前を造った私はこの獣をも作った。
これは牛のように草を食べる。
見よ、腰の力と腹筋の勢いを。
尾は杉の枝のように撓み、腿の筋は固く絡み合っている。
骨は青銅の管、骨組は鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。
これこそ神の傑作、造り主において剣をそれに突き付ける者はいない。』(ヨブ記)
神は海の怪物であるレヴィアタンと陸の怪物であるビヒモスを作ったとされる。ただ、この2匹の化け物は、どちらも海で作られたのだが、大きすぎて共に暮らすことができないために、神は天地創造の3日目に乾いて陸となった部分にビヒモスを住まわせたと言われています。
ビヒモスの外形はまさに異形の殺人兵器のようなすさまじさだが、その姿に似合わず以外に温厚なようです。それは”山は彼に食べ物を与え、野の全ての獣は彼に戯れる”と言われています。神は偉大なる力を示すためにこのビヒモスを創造したと思われます。ただこの怪物の姿は、エジプトのセトのシンボルでもあることから、自然そのものの持つ「無秩序と破壊」という恐ろしいイメージを表現したとも言われています。
ビヒモスの姿は、象の容姿に近いイメージがあります。多神教時代の古代ユダヤの伝承では、ヤハウェがエレファンテネス島の神殿において処女神アナテと結婚したとされています。男神であるヤハウェは、万軍の主の称号を持つインドのゾウ神ガネーシャを名乗ったと言います。


当時のヤハウェは多くの神の1人でありましたが、万神の女王であり、エジプト・パレスチナの支配者であったアナテの夫になったことで、多くの神々を支配する立場を獲得します。つまりヤハウェが唯一神になるプロセスを説明しているわけです。
このように勢力を持つにいたったガネーシャの姿を模してビヒモスが誕生しました。エレファンテネス島のユダヤの傭兵たちは、この像頭を持つ神を変身したヤハウェとして崇拝しました。


「モレク」・・イスラエルの古の神 [悪魔]

メレク・モロクなどとも呼ばれる「モレク」(Morech)は、イスラエルに古くから存在した神でした。名前の由来はヘブライ語の「王」です。当時の「王」たる者は、農耕の収穫を保証したり利益を擁護したりと、超越した能力を備えている必要がありました。簡単にいえば、王は魔力を使って民衆に害をもたらす悪神たちと戦い、幸運の女神を味方にするなどして、自然界の秩序を維持する役割です。雄牛の頭を持っているモレクの場合も、「王」という役割からその能力を期待されますが、この件について問題がありました。

このモレクのパワーの源が人々の命と、滴る血なのです、
さらにモレクが豊作や長寿の保証の見返りに要求したのは、王権を注ぐ者の最初の子供の命であったのです。モレクの生贄の儀式は、神殿で行われシンバルやトランペット、太鼓が鳴らされ、その中で親たちが生贄となる自分の子供を猛火の中に投げ込むというものでした。ユダヤ教が浸透してもしばらくはこのモレクの信仰や儀式は続いたと言われています。イスラエル王アハズやマセナもわが子を犠牲にしたと伝えられています。
ですから当然、キリスト教ではモレク儀式を断固として非難しています。
『列王記』では”アンモン人の憎むべき神”とされ、『イザヤ書』では”お前は油を携えてメルク神のもとに足を運び、多くの香料を捧げた。遠く使いを送り(生贄のこと)、隠府まで下って行かせた”とあります。

モレクのこの儀式はどうやらゲヘナ(地獄)のルーツになったような感があります。
この生贄の習慣は、パレスチナよりもアフリカのファニキア人の間で、ローマ時代にいたるまで盛んだったと言われています。このモレクを祭る火の祭壇がある神殿は、エルサレム郊外のヒンノムの谷にあり、その一部をゲヘナと呼んでいました。ユダヤ人たちがこの習慣を止めると、次第に荒廃し、罪人や浮浪者などの死体を燃やす場となり、その悪臭や煙が地獄のイメージを掻き立てたと思われます。その結果、ゲヘナが地獄の同義語となったわけです。


ルシファーの存在理由を考える [悪魔]


ルシファーは何のために存在するのか?
神が絶対ならば、なぜ、人類を誘惑する悪魔を野放しにしているのか?
16世紀の宗教学者”マルティン・ルター”(1488-1546)が次のように述べています。
”ルシファーは善なる天使の中で最高の存在として創造されたが、創造主を裏切ることを選んだ。その動機は「高慢」である。ルシファーは神を模倣することを考えたのだ。裏切りのもう一つの理由は人類に対する「嫉妬」である。神は人間を天使よりも上位に置いたからである。”
その結果、ルシファーは天から落とされることになったと言います。

天界から追放されたルシファーは、神や人間の復讐を求めるために、前述のエデンの園でのイヴの誘惑を実行します。
アダムとイヴがこの事件をきっかけに「原罪」を背負うことになります。
そして”神は人類をルシファーに委ね、彼を「地上の王」とした”と言われています。

人間を支配下にしたルシファーは連日のように人間を苦しめました。
災いのすべて・・人間の醜さのすべてが悪魔の仕業と言われています。
そして、ルシファーはこの世の悪徳を、それぞれの配下の悪魔たちに割り振り、組織的に人類への苦悩を与える仕事に着いたわけです。

ルシファーが天界から追放された時、何人もの天使がルシファーに賛同したと言われています。
彼らが「人間優遇策」に反対であり、天界の最高実力者の意向を重要視したからです。
反逆が失敗に終わると、ルシファーが天上から墜落するのですが、全天使の3割が堕天使となったと言われています。
堕天使は変幻自在に姿を変化できることを利用して、あらゆる場所に現れます。
時には人間に憑依し、肉体と精神にダメージを与え、疫病を蔓延させ、戦争を後押しし、人類を堕落へと導くわけです。


「ルシファー」・・闇の王・堕天使 [悪魔]

「ルシファー」はあまりに有名な悪魔・・堕天使です。
天上界では「ルシフェル」と呼ばれ、「光をもたらす者」というラテン語「明けの明星=金星」の意味をなし、神の玉座の右側に座ることを許された天使です。
天使の中でも超有力者。光輝く身体は他の天使を圧倒していました。美しく、気品に満ちており、神に次ぐ実力があったと言われます。「ルシフェル」はなぜ、天上界から追放されてしまうのでしょうか?
神に成り変って玉座に座ろうという「傲慢」からとも、神が天使よりも劣る人間を愛し、天使よりも上の地位を与えたことによる不満からとも言われています。

「私はサタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。」
この言葉は、「ルカの福音書」のイエスの言葉です。
こも言葉から、「神の敵対者=サタン」が「ルシファー」という等式が成り立つようになりました。ある説では、天使時代が「ルシファー」とうい名で、天界から追放されて「サタン」となったと唱えるものもあります。ダンテは「神曲」の作者で有名ですが、ダンテが「神曲」の冒頭部分で、森で不吉な胸騒ぎを感じたと書いています。「豹」「ライオン」「狼」の姿をしており、この3つの獣はルシファーの性格の象徴と思われています。
「豹」は「神と人間の敵」。「ライオン」は「墓所の番人」で子供を食らう残忍性を示し、「狼」は冥界の案内人であり危険な知識の所有者とういイメージです。

そしてその頭文字が、ルシファー=「Lucifer」。豹が「Leopard」。ライオンが「Lion」。狼が「Lupus」とLが共通することが興味深いと言えましょう。
またルシファーは大天使「ミカエル」の双子とも言われています。
これはイスラエルの先住民であるカナン人・エジプト人・ペルシャ人の間で生まれた伝承の中から出てきました。カナン人は「明けの明星」の神を「シャヘル」と言いました。この神には「宵の明星」である「シャレム」という双子の兄弟がいたというものです。「シャヘル」は高い位の太陽神の玉座を奪おうとして、天界から投げ落とされます。
そのカナン人の伝承をキリスト教は受け継いだようです。

キリスト教では一説によると、ミカエルとルシファーは双子の兄弟で瓜二つ。
ミカエルが神の正義・公正さを表し、その裏の顔がルシファーであるといいます。




















またルシファーは旧約聖書のアダムとイヴの物語にも登場します。
これも一説による話しなのですが、神に似せて作られたアダムとイヴは、純粋無垢でエデンの園に暮らしていました。そこに幽閉から脱出したルシファーが蛇の姿に変身して、イヴに知恵の実を食べさせます。あの有名なシーンですね。
これによって人間は「原罪」を背負うことになります。
エデンの園を追放され、死が必然となるわけです。
この執行官役がミカエルです。
このようにルシファーは人間の誘惑のリーダー的な存在なのですが、堕天の理由は「高慢」です。
次回はこのルシファーの「高慢」・・ジョン・ミルトンの失楽園「7つの大罪」から、ルシファーの役割を見ていきましょう。


リリスはイブ以前の最初のWIFE?! [悪魔]

「リリス」は最も謎めいた悪魔です。一般的に天使及び悪魔には性は無く、仮にあったとしても「男性」しかいませんが、唯一、女性の悪魔という立場で現れてきます。
それもそのはず、アダムの最初の妻であるリリスは、旧約聖書「イザヤ書」にも夜の魔女と記載されています。
リリスは神からアダムの妻として造られました。アダムがリリスを捨てた、リリスがアダムを見限ったと、正反対の説があり定かではありません。

またアダムとエデンの園で暮らしていた時に、「リリム」とうい魔族を産んだとも云われており、リリムは母に似て美しい顔と、男を誘惑する眉態を併せ持っている、と言われます。リリス自身も翼と長い髪を持つ妖艶な美女で、夜に赤子をさらうと言い伝えられています。
イブはアダムのろっ骨から作られましたが、リリスは神によって同じ物質から創造されました。いわばアダムとリリスは同等なわけです。リリスはアダムと分かれたのですが、それを見た神は3人の天使を派遣してリリスの説得に向かわせます。

説得されてもリリスは首を縦に振らず、罰を与えられます。リリスは毎日、多くの赤子を産み、その赤子は毎日100人づつ死んでいくという過酷な罰です。リリスの運命を憐れんだ天使たちは、リリスを再生し新たな力を与えました。それは地上に生まれた新生児・・男の子は8日間、女の子は20日間、赤子の運命を左右する権限です。ただ、3人の天使の名前の護符を赤子に握らせれば、リリスの危害から逃れられます。

リリスにまつわるエピソードはまだあります。
アダムの元を離れるまでは同じですが、その後紅海に近くに移り、デーモンたちと放蕩な行為に耽るのです。その中で特にルシファーは、リリスの放蕩ぶりに気に入り、また同時にルシファーとリリスはウマがあったせいか、リリスは悪魔の女王に君臨します。その結果として、おびただしい悪魔が生まれ一大勢力を形成することになりました。

放蕩・淫乱・誘惑を司る恐るべし悪魔の1人です。


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