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「ルシファー」・・闇の王・堕天使 [悪魔]

「ルシファー」はあまりに有名な悪魔・・堕天使です。
天上界では「ルシフェル」と呼ばれ、「光をもたらす者」というラテン語「明けの明星=金星」の意味をなし、神の玉座の右側に座ることを許された天使です。
天使の中でも超有力者。光輝く身体は他の天使を圧倒していました。美しく、気品に満ちており、神に次ぐ実力があったと言われます。「ルシフェル」はなぜ、天上界から追放されてしまうのでしょうか?
神に成り変って玉座に座ろうという「傲慢」からとも、神が天使よりも劣る人間を愛し、天使よりも上の地位を与えたことによる不満からとも言われています。

「私はサタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。」
この言葉は、「ルカの福音書」のイエスの言葉です。
こも言葉から、「神の敵対者=サタン」が「ルシファー」という等式が成り立つようになりました。ある説では、天使時代が「ルシファー」とうい名で、天界から追放されて「サタン」となったと唱えるものもあります。ダンテは「神曲」の作者で有名ですが、ダンテが「神曲」の冒頭部分で、森で不吉な胸騒ぎを感じたと書いています。「豹」「ライオン」「狼」の姿をしており、この3つの獣はルシファーの性格の象徴と思われています。
「豹」は「神と人間の敵」。「ライオン」は「墓所の番人」で子供を食らう残忍性を示し、「狼」は冥界の案内人であり危険な知識の所有者とういイメージです。

そしてその頭文字が、ルシファー=「Lucifer」。豹が「Leopard」。ライオンが「Lion」。狼が「Lupus」とLが共通することが興味深いと言えましょう。
またルシファーは大天使「ミカエル」の双子とも言われています。
これはイスラエルの先住民であるカナン人・エジプト人・ペルシャ人の間で生まれた伝承の中から出てきました。カナン人は「明けの明星」の神を「シャヘル」と言いました。この神には「宵の明星」である「シャレム」という双子の兄弟がいたというものです。「シャヘル」は高い位の太陽神の玉座を奪おうとして、天界から投げ落とされます。
そのカナン人の伝承をキリスト教は受け継いだようです。

キリスト教では一説によると、ミカエルとルシファーは双子の兄弟で瓜二つ。
ミカエルが神の正義・公正さを表し、その裏の顔がルシファーであるといいます。




















またルシファーは旧約聖書のアダムとイヴの物語にも登場します。
これも一説による話しなのですが、神に似せて作られたアダムとイヴは、純粋無垢でエデンの園に暮らしていました。そこに幽閉から脱出したルシファーが蛇の姿に変身して、イヴに知恵の実を食べさせます。あの有名なシーンですね。
これによって人間は「原罪」を背負うことになります。
エデンの園を追放され、死が必然となるわけです。
この執行官役がミカエルです。
このようにルシファーは人間の誘惑のリーダー的な存在なのですが、堕天の理由は「高慢」です。
次回はこのルシファーの「高慢」・・ジョン・ミルトンの失楽園「7つの大罪」から、ルシファーの役割を見ていきましょう。


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コメント 2

小野 英明

すばらしいです。
上から3番目の写真はどの文献に掲載されていますか。
よろしければ教えてください。
私のメールアドレスです。
seraph_of_light@adagio.ocn.ne.jp


by 小野 英明 (2010-12-27 21:27) 

通りすがり

小野さま

ブレイク(18世紀後半の英国の詩人で画家)の作品かと思います。William BlakeとLuciferで画像検索すると出ます。版画が多い人で、日本でも画集は入手しやすいと思います。「幻想的」、「神秘的」、「象徴的」という形容がよくされる作家です。
by 通りすがり (2011-02-03 07:44) 

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