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「モレク」・・イスラエルの古の神 [悪魔]

メレク・モロクなどとも呼ばれる「モレク」(Morech)は、イスラエルに古くから存在した神でした。名前の由来はヘブライ語の「王」です。当時の「王」たる者は、農耕の収穫を保証したり利益を擁護したりと、超越した能力を備えている必要がありました。簡単にいえば、王は魔力を使って民衆に害をもたらす悪神たちと戦い、幸運の女神を味方にするなどして、自然界の秩序を維持する役割です。雄牛の頭を持っているモレクの場合も、「王」という役割からその能力を期待されますが、この件について問題がありました。

このモレクのパワーの源が人々の命と、滴る血なのです、
さらにモレクが豊作や長寿の保証の見返りに要求したのは、王権を注ぐ者の最初の子供の命であったのです。モレクの生贄の儀式は、神殿で行われシンバルやトランペット、太鼓が鳴らされ、その中で親たちが生贄となる自分の子供を猛火の中に投げ込むというものでした。ユダヤ教が浸透してもしばらくはこのモレクの信仰や儀式は続いたと言われています。イスラエル王アハズやマセナもわが子を犠牲にしたと伝えられています。
ですから当然、キリスト教ではモレク儀式を断固として非難しています。
『列王記』では”アンモン人の憎むべき神”とされ、『イザヤ書』では”お前は油を携えてメルク神のもとに足を運び、多くの香料を捧げた。遠く使いを送り(生贄のこと)、隠府まで下って行かせた”とあります。

モレクのこの儀式はどうやらゲヘナ(地獄)のルーツになったような感があります。
この生贄の習慣は、パレスチナよりもアフリカのファニキア人の間で、ローマ時代にいたるまで盛んだったと言われています。このモレクを祭る火の祭壇がある神殿は、エルサレム郊外のヒンノムの谷にあり、その一部をゲヘナと呼んでいました。ユダヤ人たちがこの習慣を止めると、次第に荒廃し、罪人や浮浪者などの死体を燃やす場となり、その悪臭や煙が地獄のイメージを掻き立てたと思われます。その結果、ゲヘナが地獄の同義語となったわけです。


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