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「グリゴリ」PART1・・情欲による堕天 [天使]

堕天使の中には情欲によって悪魔になった天使もいます。前述のアザぜルもその類です。『エノク書』にはこの情欲によって堕天使となった者たちについて書かれています。
今から1万2千年前、「グリゴリ(Grigori)」・・見張るもの・・という名の天使に一団が人間に教育する目的で地上に降り立ちました。グリゴリはエデンの園の建設にも携わり、睡眠が不要のため、「見張り役」としては最適でした。
エデンの園を追われたアダムとイブは「死」を与えられたため、人類存続のために子孫を残すことになります。カインとアベルから始まり、人類の子孫が次第に増えていきます。
その人類の中に非常に美しい娘たちも産まれました。これを見たグリゴリたちは、皆であの娘たちを嫁にして子供を作ろう、ということになりました。天使と人間との結婚は神から固く禁止されています。しかし、情欲の誘惑に耐えきれないグリゴリたちはその禁を犯してしまうわけです。200人のグリゴリが妻を娶り子供が産まれました。しかしその子供は、背の丈が1350メートルという巨人です。この巨人たちの食欲は凄まじく、人間の作る食糧では足りたいために、鳥や獣、魚、さらには共食いまでしてしまいます。
さらにグリゴリは人間に「宇宙の秘密」まで教えてしまいます。剣、小刀、楯、胸当てなどの戦争のための道具、腕環、飾り、化粧などの女性が男性を誘惑する術、天文学、薬学、魔法など禁止されている知識を教えてしまうわけです。
当然、その結果として姦淫が行われ、戦争が始まります。4大天使が天から地上を見渡すと悪徳の嵐が見えたそうです。あまりに酷い事態のため、大天使は神に報告せざるを得ません。神の怒りも凄まじいものでした。グリゴリは全員が捕えられ幽閉されます。
善なるノアに方舟を作るよう命じ、神は善なるノアの家族と動物たちをのぞいて、一切を洪水によって死に至らしめました。


「天使のヒエラルキー」PART5・・下級3隊 [天使]

下級天使たちは人間に一番近い位置にいる天使です。上の位置にいる天使は光や炎のような霊体でとても人間とは言えませんが、下級天使はまさに人間と触れ合う機会の多い天使と言えます。
<権天使 プリンシパリティーズ>
権天使は地上における国や都市を守護します。信仰の擁護者としての顔があり、人間の指導者を監視し、彼らの正義への決意を鼓舞すると言われています。
指揮官はアナエル、エノクを天界に運んだハミエル、カマエルなどと言われています。
アッシリア地方の神であったニスクロも権天使の指揮官であったとされていますが、悪魔に寝返ったという記述がミルトンの『失楽園』に見られます。
「・・ついで立ち上がったのは、権天使の首領であるニスクロであった。しかし彼は、修羅場から今脱出してきたばかりという姿で、疲労の色がありありと示し、鎧もずたずたに切り苛まれていた。」
またニスクロは中世の神秘伝説では、地獄の栄養士という役割があり、彼の得意料理はエデンの園の禁断の実を使ったものだそうです。堕天使になる前は、この禁断の樹木を守護していたとされています。
<大天使 アークエンジェルス>
不思議なのは天使の階級の第8番目という下位でありながら、実際には神の参謀のような活躍をしているのが大天使です。神の輝ける玉座の前に立ち、その命令を神から直接に受けます。また最後の審判の時のラッパを吹く役目も大天使です。ラッパは7つあり、それぞれ7大天使が吹くことになっています。
ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルの4大天使は最も有名です。
当初はこの大天使が最高位のようでしたが、キリスト教会が新しい天使の階級を腐心している中で、なぜか第8弁目の地位になってしまったようです。
ミカエルは天国軍団の総司令官ですが、その彼が第8番目の地位にいるのは考えられません。これでは伍長クラスが、国の存命を左右するような立場にいるようなものです。
<天使 エンジェルス>
天使軍団の最下位。最も人間に親しみやすく、人間生活の細部にわたって正義の名の下で監督します。神と人間の間を取り持ち、大天使からの命令を実行する役目もあります。
ということは天使は非常に多人数であるといえます。
『タルムード』では、1人のユダヤ人が誕生するたびに守護役の天使が1万1千人いるとされています。


「天使のヒエラルキー」PART4・・中級3隊 [天使]

中級3隊の天使たちは最も人間になじみ深い天使です。中級天使の役目は、対立するものの調和で、善悪・物質と霊などの均衡を保ちます。
<主天使 ドミニオンズ>
ドミニオンズは統治・支配を意味します。神による真の統治を絶え間なく熱望することが役目であり、神の御言葉をあまねく世界に広める活動をします。天国の行政官のような官僚で、智天使ケルビムから命令を受けて活動します。主天使の指揮官はハシュマル、もしくはザドキエルと言われています。
<力天使 ヴァーチューズ>
ヘブライ語ではマラキム、タルシシスムという彼らは「高潔」を意味します。
地上世界に恩恵と勇気をもたらすために、しばしば奇跡を司ります。そのため英雄を力付け、善良な人の前に現れて援助を行います。
かのイエスが昇天した時にも出現し、イエスに付き添ったのも力天使と言われています。またアダムとイブがエデンの園から追放され、「死」を余儀なくされたため子供を設けることになりますが、そのカインの誕生の際に産婆の役もしたと言われています。
力天使の指揮官はミカエル、ラファエル、バービエル、ウジエル、ぺリエルとされています。
<能天使 パワーズ>
能天使は神に最初に造られたとされています。
役割もたいへん過酷な天使です。彼らは堕天使・・悪魔の軍勢の最前線におり対抗する役目があります。常に戦闘する体制になっとり、また悪魔の近くに位置するため、誘惑にさらされて堕天する危険性の高い天使と言えます。
司令官カマエルは「神を見るもの」と言う意味ですが、このカマエル自身も誘惑によって堕天させられました。カマエルは114万の部下はおり、「破壊の天使」「復讐の天使」という称号も持っています。
この能天使の指揮官はラファエルとされています。

ラファエルは大忙しです。


「天使のヒエラルキー」PART3・・上級3隊”座天使オファニム” [天使]

座天使「オファニム」は”神の玉座を運ぶ尊厳と正義の天使””意思の支配者”という意味があります。トロウンズ(Thrones)、ガルガリン(Galgalim)とも呼ばれています。ガルガリンは車輪の意味があり、前述のケルビムと同様に乗り物のようです。車輪は緑柱色に輝き、ある時は炎と燃え、多くの目を持っているとされています。そのような理由もあり”火車”が象徴となっています。
神の玉座を運ぶというと、まさにケルビムと同じではないかと思ってしまします。
『エゼキエル書』では、「・・生き物の傍らの地に1つの車輪が見えた。その車輪は緑柱色に輝き、4つともに同じように見えた。」
「ケルビムが移動するとき、車輪もその傍らを進み・・」
「・・ケルビムが昇ると、その車輪も昇った。生き物の霊がその中にあったからである」と述べています。
また座天使の職務は、神の玉座の移動以外に「神の下した決定の配剤を考える」ことだとも言います。
また同上のエゼキエルは、座天使が素早く移動する場合は、「緑色が目で覆われた」4つの輝く車輪を使った、と言っています。
このような記述を読むと、ケルビムもオファニムも神につき従う上級天使・・仮にセラフィム・・の車輪そのもののような感じがします。
これでは、ケルビムもオファニムも同じようなイメージですので、神学者たちの解釈では、ケルビムは神の玉座を普段から運ぶ日常業務、オファニムは戦車など特別な時に運ぶ業務と区分けしています。
座天使の指揮官は、ヤフキエル、もしくはラファエルとされています。


「天使のヒエラルキー」PART2・・上級3隊”ケルビム” [天使]

セラフィム(Cherub)の語源は、「知識」「仲裁者」という意味があり、アッシリアでは寺院・神殿の入り口を守る番人、エジプトでは夜と宗教の励みを意味し、聖書ではエデンの園の東門で護衛を役目としています。ケルビムには全方向に広がる稲妻を武器として護衛役が多いようです。
ケルビムの姿もセラフィム同様に異形で表わされていることが多いようです。
4枚の翼、腕、顔も4つで、光輝く足元には車輪がある、というのですから、戦車のような乗り物を思わせます。
足元にある車輪は太陽の動きに関係があるようで、同時に神の御座を運んだり、まさに神の戦車の役目を担っているようです。
ケルビムの軍団の指揮官は諸説ありますが、ヨフィエル(Jophiel)とされています。
『エゼキエル書』でケルビムのことについて書かれていますが、この記述ではまさに化け物のような姿となっています。
「・・北から激しい風が雲を呼び、火を起こし、周囲に光を放っている。その火の中に琥珀色に輝く4つの生き物の姿があった。」
「彼らは人間のようではあるが、4つの顔を持ち、4つの翼を持っていた。足は牛のようで、磨いた青銅が光を放っていた」
「翼の下には手があり、翼は互いに触れ合っており、移動するときには向きを変えずに4方向に向いた顔のどちらかの方向へ進んだ。その顔は人間のようであり、4つとも右に獅子、左に牛、後ろには鷲の顔を持っていた。」
「彼らの在り様は燃える火の如く輝き、松明のように生き物の間を行きめぐり、その火からは稲妻が発していた。」
これではまさに怪物です。
どうやら天使の階級が上位のほど、人間離れしているようです。
またケルビムは天使というより、神の移動手段・・マイカーのようなものだったのかも知れません。


天使のヒエラルキーPART1”熾天使セラフィム” [天使]

12世紀から13世紀にかけて、神学者たちは天使の階級を整理・完成させました。この天使のヒエラルキーは諸説あり、9階級とも7階級とも言われていますが、悪魔軍団の階級に対する天使軍団の階級を対応させて考えてみましょう。
まずは「上級3隊」と言われている上位の天使たちです。
熾天使セラフィム、智天使ケルビム、座天使オファニムからなる3階級で、神に最も近い位置にいる上級天使です。
『エノク書』によれば神がエノク本人に、「私は石から大きな火を起こし、その火から全ての身体の無い軍勢と星の軍勢、ケルビム・セラピム・オパニムを造った。これら全ては火から生じさせたものである。」と言っています。
<熾天使セラフィム>
”燃える””蛇”というヘブライ語の意味を持ち、神に最も近い存在です。古代ではこのセラフィムは天界を飛翔する蛇とされていました。ユダヤ教・キリスト教では、セラフィムは直接に神とコンタクトし、純粋な光と思考の存在として愛の炎と共鳴すると言われています。
”愛と想像力の精霊”とも言われます。
6枚の羽があり、そのうち2枚は顔を隠し、2枚で足を隠し、残りの2枚で飛翔すると言われています。
手には”聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな”の歌詞を刻んだ「炎の剣」かもしくは旗を持っています。
『イザヤ書』ではこう記しています。「・・私は高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿が広がっていた。上にはセラフィムがいて、6つの翼を持ち、2つを持って顔を覆い、2つを持って足を覆い、2つを持って飛び交っていた。彼らは互いに呼びかわし唱えていた。『聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は地を全て覆う』この声によって、神殿の入り口の敷居は揺れ動き、煙に満たされていた」
セラフィムは常に神の御座の周囲を飛んでおり、サンクトゥスを唱えていると言います。
古代のセラフィムの絵画では、顔の周囲を翼で覆い隠し、その翼の羽の1枚1枚に孔雀のような目が描かれていました。
熾天使セラフィムの指揮官も諸説あるのですが、ウリエル、メタトロン、ルシフェル(堕天使になる前)、ケムエル、ナタナエル、ガブリエル等と言われています。


「イブリース」・・神の怒りを買ったイスラムの天使 [天使]

イブリースは別名エブリース、ハーリスと言い、イスラム世界でもちょっと変わった天使と言えます。キリスト教の立場からすると、イブリースは堕天使に相違ありません。イブリースはまさにサタンを演じているのです。
アダムは神が造った最初の人間ですが、このアダムはあらゆる事物の名前を教えられ、天使よりも上位に位置付けられました。『コーラン』では、アッラーが土を捏ねて人間の形を作り、息を吹き込んで生命を与え、周囲の天使たちに、人間の前に跪き礼拝するよう命令しました。しかしイブリースだけは断固として礼拝しないのです。
アッラーはイブリースに尋ねます。「なにゆえ汝だけは跪かないのか?」
イブリースは「私のほうが人間よりも上等です。貴方は火で私を御造りになった。でも人間は土で御造りになったではありませんか?」
アッラーはイブリースに対して「汝はここから落ちよ。ここは汝ごとき者が威張るところではない。さあ、出ていけ。まったく汝は見下げた奴。」と告げます。
イブリースは「しばらくご猶予願いませんか?彼らが呼び起こされる復活の日まで」と答えます。
アッラーは「それならば、汝に猶予を与えよう」と述べるのです。
イブリースは「おかげで横道に迷い込んでしまったようです。その復讐として貴方のまっすぐな道(信仰心)の途中で人間たちを待ち伏せしてやりましょう。そして前後、左右から人間たちを襲いかかってやりましょう。たいていの人間たちは神への感謝をすっかり無くすことでしょう。」
アッラーはこう答えます。「汝も汝についていく人間も、蔑まれて追い立てられて出ていくがよい。今、ゲヘナの火(地獄の猛火)で一杯にしてやろうぞ」

ちなみにエデンに棲むアダムとイブを誘惑したのもイブリースと言われています。
不可思議なのは、天上界に属しながら(復活の日まで猶予をもらっている)、同時にサタンの役目もある存在ということです。


「アズラエル」・・イスラムの異形の天使 [天使]

アズラエルは別名アズライル、アシリエル、アズリエル等あり、ヘブライの伝承では第3の天に属する死の天使として知られ、復活の日にラッパを吹く天使と言われています。
イスラム教徒にとってアズラエルは、キリスト教の同職であるラファエルとは姿形も大きく異なり、7000本の脚と4000の翼、無数の目と舌を持つ異形の天使として恐れられています。アラブ神話では、アズラエルは常に分厚い一冊の本を持ち歩いており、新たな人間が生まれると加筆し、死ぬと名簿からな眼を消していると言われています。
日本における閻魔大王のような死者の審判的な役割とも言えます。
アズラエルには面白いエピソードがあります。
かつてジブリール、ミーカーイル、それにイスラフェルとアズラエルの4天使が、神の命令を受けて世界の4隅に派遣されました。そこでそれぞれの7掴もの土を集めてアダムを作ろうとしたのです。
※この伝承ではアダムを造ったのは神ではなく天使ということになっています。
でも3人はことごとく失敗してしまいます。でも第4の天使アズラエルが試してみると、見事にアダムを造ることに成功します。それはアズラエルは人間の魂と肉体を分けることを知っていたからと言われています。


「イスラフェル」・・・イスラムの天使 [天使]

イスラフェルは審判の日にラッパを吹く天使としてイスラム教では重要な役割を果たします。別名は幾つかあり、イスラフィル・サラフィエル・イスラフィエル等です。
アラビアの伝承では、彼は4枚の翼を持ち、大地に足をつけながらその頭は神の玉座のひさしに届くほどの巨大な体の持ち主とされています。ユダヤのメタトロンのようなイメージでしょう。イスラフェルの重要な任務は、1日のうち昼間3回、夜3回の地獄視察とされています。地獄に落ちた人間を監視していると言われています。
イスラム教の教祖ムハンマドは、ジブリールを仲介者として神、アッラーの言葉を記したとされています。それが経典『コーラン』を作らせました。でもある伝承によると、ムハンマドの元に天使が訪れたのはジブリールが最初ではなく、イスラフェルとも言われています。ムハンマドはジブリールが来る前から信仰への気持ちが強くなり、瞑想生活をするようになり、ちょうどジブリールが来る3年前からイスラフェルが下地を作ったと言われています。
モスクでコーランの詠唱を聞くと、独特のリズムがあることがわかります。それはムハンマドの時代、アラビアではカーヒンと呼ばれた、一種のシャーマン(巫者)が居て、カーヒンは神がかりになると低く、呟く様な独特のリズムで、神の言葉を語ったとされています。預言者ムハンマドもカーヒンの1人であったかもしれません。
そのように考えれば、イスラフェルはカーヒンを司る天使とも言えます。イスラフェルが「音楽を司る」天使とされるのも、そのような意味を含んでいるようです。


Role Of Angels・・天使たちの忙しい職務 [天使]

神は宇宙創造にあてり、まずは天使たちを造ったとされています。やがて各天体・・地球・・そして様々な生き物・・ついには人間を作りました。天使たちを最初に造ったのには理由があります。神は広大な宇宙の運航から、ちっぽけな人間の、日々の監視まですべてにおいて管理しなければなりません。そのために、その莫大な量の仕事を補佐する天使を造ったとされています。天使たちの数は数万・・数十万と言われていますが、各天使にはそれぞれの役割が施されることになりました。
神の右腕として働く天使たちの中心となるのは、「ミカエル」「ガブリエル」「ラファエル」「ウリエル」の4大天使であるようです。実際は彼ら4大天使たちの下にも数多くの天使たちが居て、膨大な仕事をこなしています。
では・・働く天使たちの職務とはどんなものがあるのでしょう?
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