「イスラフェル」・・・イスラムの天使 [天使]
イスラフェルは審判の日にラッパを吹く天使としてイスラム教では重要な役割を果たします。別名は幾つかあり、イスラフィル・サラフィエル・イスラフィエル等です。
アラビアの伝承では、彼は4枚の翼を持ち、大地に足をつけながらその頭は神の玉座のひさしに届くほどの巨大な体の持ち主とされています。ユダヤのメタトロンのようなイメージでしょう。イスラフェルの重要な任務は、1日のうち昼間3回、夜3回の地獄視察とされています。地獄に落ちた人間を監視していると言われています。
イスラム教の教祖ムハンマドは、ジブリールを仲介者として神、アッラーの言葉を記したとされています。それが経典『コーラン』を作らせました。でもある伝承によると、ムハンマドの元に天使が訪れたのはジブリールが最初ではなく、イスラフェルとも言われています。ムハンマドはジブリールが来る前から信仰への気持ちが強くなり、瞑想生活をするようになり、ちょうどジブリールが来る3年前からイスラフェルが下地を作ったと言われています。
モスクでコーランの詠唱を聞くと、独特のリズムがあることがわかります。それはムハンマドの時代、アラビアではカーヒンと呼ばれた、一種のシャーマン(巫者)が居て、カーヒンは神がかりになると低く、呟く様な独特のリズムで、神の言葉を語ったとされています。預言者ムハンマドもカーヒンの1人であったかもしれません。
そのように考えれば、イスラフェルはカーヒンを司る天使とも言えます。イスラフェルが「音楽を司る」天使とされるのも、そのような意味を含んでいるようです。
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