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「デモノロジィ」PART6・・ファウスト博士のメフィストフェレス [悪魔学]

前回ではファウスト博士がメフィストフェレスを誕生させ、悪魔学の貢献をしたと述べました。これはその後にも、ゲーテ、ドラクロア、ハイネ、トーマス・マンと言った文豪、詩人、画家の作品のモチーフとしてメフィストフェレスを取り上げていることからもわかります。
メフィストフェレスは実際には有力な悪魔というわけではありません。

ファウスト博士との契約時にも、自分で判断できずに地獄に引き返し、ルシファーにお伺いを立てていることからも地位の低さがわかります。ただこのメフィストフェレスを川切りに悪魔に対する見解が変化したことは注目すべきです。従来の硬直した悪魔観・・悪魔は悪の権化・・から批判精神に富んだ多面的な表情を見せる悪魔像を描いて見せました。

「メフィストは神に対立する者であると同時に神の意思の道具として現れる。物質世界の創造者であり、同時に神の家来、そして精神の原理に対抗する物質の原理でもあれば、善に対抗する悪であり、秩序に対抗するカオス、創造力に対する刺激、その様々な面を示す。」(『メフィストフェレス』J・B・ラッセル著 教文社)
メフィストフェレスは悪魔を悪から、悪を媒体にした影響力の統合的なものに変化させました。そしてそのメフィストを世に知らしめたファウスト博士の功績も、このように見れば大いなるものと言えましょう。


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