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「デモノロジィ」PART4・・錬金術師パラケルススの悪魔学 [悪魔学]

パラケルススは。1493年、チューリヒ近郊にてに出生しました。バーゼル大学とイタリーのフェラーラ大学で医学を学び、続いてヨーロッパ諸国を遍歴。主に鉱物から抽出する薬物の研究を行います。様々な患者と症例に接することで医師としての経験を積み、この時期に近代外科医学の父と呼ばれるパレに出会って影響を受ける。パラケルススという名前は後年採用されたもので、古代ローマの名医ケルススを越える(パラ)存在という意味を有していると言われています。
1524年には母校バーゼル大学の医学教授に任命され、それまでの医学を完全否定して物議をかもし、医学用語からアラビア語を追放するなどして先輩同僚の恨みを買ってしまいます。
パラケルススは何事につけても喧嘩腰になる性格の所有者であったため、無数の敵を作ってしまい、すぐにバーゼル大学を追われているようです。以後、各地を放浪しながら著作と医療に専念し、1541年、ザルツブルグにて客死しています。
隠秘学に於けるパラケルススの功績は、それまで黄金生成を主眼としていた錬金術に生命科学としての意義を持たせたことにあります。また、「大宇宙小宇宙相互対応論」を占星術経由で医学に結び付けた点も功績の1つと言えます。
実像のパラケルススは天才的医学者であったが、後年の放浪時代の伝説が伝説を生み、魔術師としての評判も高くなりました。彼の没後、その名声に乗って多くの魔術的偽書が彼名義で出版され、いよいよ魔術師扱いされることとなります。
パラケルススにとっての「錬金術」は、卑金属を黄金に変える霊薬を作ることではなく、純粋に医学的な薬を作る目的がありました。またパラケルススの医学的な評価は高く、ルネサンス最大の人文学者エラスムスが証明しています。

パラケルススは”医学にとって魔術は最良の教師である”と述べています。
この「魔術」とは、”神から直接やってきて、医師に授けられる力”として捉えており、人間は「小宇宙」そのものという考えから成り立っています。

パラケルススの伝説的なエピソードがあります。

パラケルススがインスブルック滞在中、森を歩いていると奇妙な声が聞こえてきました。
パラケルススの名前を呼んでいるのです。あたりには人影がいません。パラケルススは大声で「誰だ?私を呼ぶのは?!」と尋ねました。
返事のする方向に足を運ぶと、大きなモノの木に実が1つ括りつけらていました。それは十字架で三重に封印されています。モミの木の幹の中に悪魔が閉じ込めらているようです。
悪魔は「ここから助けてくれ。なんでも望みの物をやるから」と助けを求めてきました。
交渉の結果、すべての病を治す霊薬とすべての物を黄金に変える霊薬を譲り受けることになりました。
パラケルススは約束通り悪魔を助けました。
悪魔も助け出されて気を許したのか、自分をここに閉じ込めた聖職者に復讐するのを手伝ってくれと頼むのです。
パラケルススは、「お前を閉じ込めるなんて、凄い能力の持ち主に違いない。そんな聖人に対抗するだけの力がお前にあるのか?」と尋ねると、「なに、簡単な事さ、まあ見せてやろう」ということになりました。
悪魔は蜘蛛に変身してまたモミの木に幹に入っていきました。
パラケルススはすかさず十字架で封印してしまいました。悪魔がわめいてもあとの祭りです。
こうして、2種類の霊薬を手に入れたそうです。


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