SSブログ

デモノロジィの歴史 [悪魔学]

「デモノロジィ」・・「悪魔学」とういう学問があります。
ルネサンス以降に、西洋では様々な学問が発展しますが、この「悪魔」を研究する学問も出現しました。
「デモノロジィ(Demonology)」または「サタノノジィ(Satanoligy)」と呼ばれています。
関連した学問には、哲学・宗教学・オカルティズムの分野に跨って展開されています。初期のデモノロジィは真摯なもので、キリスト教の神学の世界では、悪の存在が悪魔によるものであるというポジションでしたので、この悪魔学も重要な教義テーマでありました。また「オカルティズム(Occultisum)」が台頭し、悪魔学の存在を世に広めたとも言えます。「オカルティズム」もまた広範囲で、占星術・降霊術・魔術・錬金術などを含みます。この「オカルティズム」ですが、悪魔は元来は天使であった、という根本的な思想があります。つまり天界の知識・・宇宙の知恵・・森羅万象を悪魔は知っているということです。本当は悪魔は人間にこの宇宙の知識を教えてはならないことになっていますが、多少のリスクを侵してもこの大いなる知恵を得たい、というのが人間の性でしょう。そのためには悪魔とコンタクトを取り、その知識を聞きたい、と願うものです。悪魔学が展開された背景には、人間のあくなく知識欲と権勢欲・物質欲があったからにほかなりません。
また、悪魔学のもう1つの存在意義として、「悪魔の分類」があります。
地方の神がキリスト教において悪魔とされたり、旧約聖書に出てくる有名な悪魔もいますし、悪魔憑きのようなものまで、様々な悪魔を一度整理したい、というテーマです。
代表的な「悪魔学」を挙げてみましょう。
続きを読む

神学者ミカエル・プセロスの悪魔観
ミカエル・プセロスという人物は、1018~1078年の60年の生涯を送り、ビサンチン帝国の顧問官という官僚をしていた者です。また古典学・哲学などを専門に大学で教鞭を取っていました。いわゆる、当時の知識階級です。

ミカエル・プセロスは「悪魔は自由意思によって堕落した天使たち」という理念を掲げています。自分から堕落したのですから、神側から見れば完全な落伍者で、許されるべき存在ではないというものです。

彼の悪魔学においては、6つの階級に分類されます。
最高位が「レリウーリア」で悪魔の最上位。月の下に住んでいます。第2位が「アエリア」で空中に棲む悪魔。第3位は「クトニア」で陸上を徘徊しています。第4位は「ヒュドライア」で水中に住み、第5位が「ヒュポクトニア」で地下世界の住人。最下位は「ミソバエス」で光の全てを嫌い地獄の最下層に棲む盲目の悪魔です。

すなわち、悪魔の棲んでいる場によってポジションが変化するわけです。より高い位置に棲む悪魔ほど位が高く、人間の感覚に直接アプローチし、理性には間接的に働きかけて誘惑します。高位の悪魔には「想像作用」を武器として人間を堕落させるわけです。

下位の悪魔は簡単にいえば動物です。日本の狐憑きと大差がありません。動物的な霊なので、人間の知性に働きかけることができません。衝動的・・本能的に・・威嚇したりして人間を窮地に追い込みます。

このような悪魔たちの攻撃には、イエスの御名と十字架、聖人の名前、福音書を読み上げることが効果ありと説いています。このような悪魔たちが忌み嫌う・・恐れる存在は、聖人と苦行者だそうで、そのような人物が近づくだけで、人間に憑依した悪魔は逃げだすとされています。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。